道具類:投光器

灯火採集(ライトトラップ)をする上で必要な投光器(ライト)ですが、明るいものであれば何でもよいという訳ではありません。ホームセンターなどには様々な種類の投光器が置いてあります。ただし注意したいのが、LEDライトです。LEDは昆虫が寄ってくる紫外線をほとんど出さないので、昆虫採集には不向きです。人間の目には明るく見えますが、昆虫の目には暗く見えるようです。やはり、投光器も目的に合ったものを使うのが一番確実です。

と言っても、昆虫採集向けのライトなんて近所で簡単に手に入るようなものではありません。

灯火総研のMOTHLIGHT-C HID投光器(¥49,500-)

このライトは、紫外線の中でも、特に昆虫が好む帯域の波長を強化して発射するように作られているため、ほかのライトに比べてたくさんの生き物が寄ってきます。しかし、独自のバルブを使用しているせいか、お値段は高めです。

上のものは理想的なライトの一例です。このほかにも昆虫採集で使えるライトは以下のものが考えられます。

・水銀灯(バラストレス水銀灯)

・メタルハライドランプ

・蛍光灯

・白熱電球

Panasonic バラストレス水銀灯

※蛍光灯や白熱電球でも虫は集まりますが、そもそもあまり紫外線も出ておらず、高い出力のものが無いので、ここでは紹介を割愛します。

次に電源について考えます。電源は基本的にライト本体とは別に用意する必要があります。ライトの電源として考えられる選択肢は以下の通り。

・家庭用コンセント

・車載のシガーソケット

・ポータブル電源(大容量バッテリー)

・発電機(インバータ)

まず、家庭用コンセントですが、残量を気にせずに使える一方、ライトを使用することができる場所が非常に限られます。そもそもお目当ての昆虫がいる場所にライトを向けないと意味がないので、家の目の前に雑木林がある人向け。

次に車載のシガーソケットですが、家庭用コンセントよりは場所の融通が利きます。車が入れるところであれば、その近くで灯火採集を楽しめます。ただし車のバッテリーを使うことになりますので、バッテリー上がりには注意しなくてはなりません。電波の届かないような夜の森の中で車のバッテリーが上がったら洒落になりません。

Anker PowerHouse (¥49,800-)

持ち運びのし易さで考えると、ポータブル電源が理想的です。大容量のものを選べば、より長い間、灯火採集を楽しむことができます。ポータブル電源の購入を考えるときに注意したいのが、対応ワット数です。高出力の投光器であれば、より遠くに、より広く光を発射出来ますが、ポータブル電源では限界があります。このAnkerのポータブル電源の最大出力ワット数は120です。私が普段使用している灯火総研の投光器は55wなので何の問題もなく使用できます。しかし、ホームセンターなどでよく売られている赤色の投光器は大体300wくらい必要なので、この電源に繋いでも付くことはありません。

画像、ヤマハ発電機EF900iS(¥140,800-)

最後に紹介するのは発電機(インバータ)です。発電機はより高いワット数の投光器を使用することができます。また、長時間の発電することができ、ポータブル電源の充電と違って、燃料となるガソリンの補充もすぐに終わるので、数日連続で灯火採集をしたい場合には重宝します。ネックとなるのが重さと価格で、大容量発電機のものは重くて、そして高価です。灯火採集の為だけに購入するのは腰が引けてしまいますが、災害時の備えとして購入し、年に数回、灯火採集で使用すればよいメンテナンスにもなるかもしれません。

灯火採集を行うために必要な道具どれも高価ですので、本当に昆虫採集が好きなマニア向けに採集方法とも言えます。

・昆虫採集は気が向いたときに行う人

→そもそも投光器類など購入せずに、雑木林近くの街灯、コンビニ、自販機巡りをする。

・昆虫採集が好きで灯火採集を自分の好きな時、場所でやってみたい人

→投光器とポータブル電源を購入して実際に山でやってみる。最初は全然採れないと思いますが、場数を踏んでいくうちに採れるようになります。ポータブル電源は、灯火採集を行わない時はBBQなどで使い倒す。

・年に数回以上、昆虫採集目的で旅行をしてしまう人

→高出力の投光器と発電機を購入して車でポイント開拓を目指す。

・道具類を購入する勇気は無いが、自分で灯火採集をやってみたい人

→宿泊ついでに灯火採集を体験できる場所があります。レンタル料は宿泊プランに含まれています。(福島県檜枝岐村ロッジ渓山)

自分のスタンスに合わせて無理なく挑戦してみるのが1番いいと思います。