~捕獲から繁殖方法まで~

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 外国産カブトムシが流通する昨今、日本に生息するカブトムシへの注目度が年々低くなっています。ただ、国産カブトムシは野生の個体を捕獲して飼育できる上にペットショップなどで安価に購入する事もでき、大切に飼育すれば産卵、孵化、蛹化、そして新成虫への羽化という生と死のサイクルを観察でき、外国産のカブトムシを育てる際の良い入門となる。

 失敗が少なく、初心者でも安心して飼育できる種なので、入門としておすすめです。私たちの身近にいるカブトムシを飼育し、そのライフサイクルを学んでみてはいかがでしょうか?

 それでは国産カブトムシの知られざる特徴や飼育方法などを説明していきます。

国産カブトムシの特徴

カブトムシ…実は一種類だけじゃない?

あまり知られていませんが国産カブトムシは分類上の「種」の総称です。

ざっくり分けると

「昆虫(綱)」→「コウチュウ(目)」→「コガネムシ(科)」→「カブトムシ(種)」となります。

そして日本に生息するカブトムシは、実は1種類だけではありません。

「種」をさらに細かく分けたものを「亜種」と呼び、日本には4種類のカブトムシが生息しています。

 他の3種類は「オキナワカブト」「クメジマカブト」「ツチヤカブト」と言い、沖縄県より南方に生息していて、一般にペットショップやクヌギ林で捕まえられるカブトムシは『ヤマトカブトムシ』という種小名が正式名称です。

『ヤマトカブトムシ』以外の3種類の国産カブトムシのオス個体を個別に説明していきます。

オキナワカブトムシ

 一般に「沖縄亜種のカブトムシ」に代表されるのが『オキナワカブトムシ』です。頭角・胸角が「ヤマトカブトムシ」と比べてかなり短く、角を除く体長も30~50mmと小型になります。沖縄本島に分布するカブトムシの代表的亜種です。更に名前は付けられていませんが屋久島・種子島には「カブトムシ屋久島・種子島亜種群」の分布も確認されています。

クメジマカブトムシ・ツチヤカブトムシ

(写真上)クメジマカブトムシ         (写真下)ツチヤカブトムシ

 それぞれ久米島・口永良部島にのみ生息する固有亜種です。オキナワカブトムシ同様小型になりますが「クメジマカブトムシ」の頭角がヤマトカブトムシに比べ短くなるのに対し「ツチヤカブトムシ」はかなり伸長します。沖縄以南の亜種群は扁平的で小柄な体型持つ個体が多いという傾向があります。

カブトムシ(ヤマトカブトムシ)の見分け方

生息地で見分けることはできる?見分け方は?

 今回の主役「ヤマトカブトムシ(以下カブトムシ)」はその生息地で簡単に判別できます。既に紹介した沖縄以南の亜熱帯地方に住む亜種群とは違い、カブトムシは北海道・沖縄には本来野生個体はいません。九州・四国・本州にのみ生息しています。ただ人の手により国内外来種として移入され、今や全国各地で見られるようになってしまいました。

 ポイントは頭部から伸びる角とその全長です。1983年に「ヤンバルテナガコガネ」が発見されるまでは国内最大の甲虫であり、角を除いた全長は70~80mmまでに成長します。オスメスほぼ同じほどの大きさになります。

 上翅から頭部にかけて赤みを帯びる個体も多く、必ず黒一辺倒という訳ではありません。

カブトムシ幼虫の特徴・見分け方

(写真左)孵化直後の1令幼虫        (写真右)3令幼虫

 カブトムシの幼虫時の同定(種の特定)は難しい場合が多いです。カブトムシの幼虫かどうかを判断するためには、①幼虫が居た場所と②その幼虫の特徴の2つを考える必要があります。

 ①その幼虫がいた場所は腐葉土などがある広い土地(畑など)ですか。それとも花壇などの狭くて限られた場所ですか。

 → 腐葉土などにいる幼虫はカブトムシの可能性が高いです。反対に花壇などにいるものはコガネムシやハナムグリの幼虫の可能性が高いです。

 ②-1 その幼虫のおしりの割れ目は水平ですか。それとも垂直ですか。

 → カブトムシ系の幼虫のおしりの割れ目は水平(横)です。クワガタ系は垂直(縦)に割れています。なお、悩ましいことに、コガネムシ系は水平も垂直もどちらのパターンもあります。

 ②-2 その幼虫は500円玉よりも大きいですか。

 → 500円玉よりも明らかに大きい幼虫はほぼカブトムシの幼虫です。日本にいる子供の手のひらサイズになる大きな幼虫はカブトムシの幼虫です。

 ②-3 動きはゆっくりですか、それとも早いですか。

 → 動きが比較的ゆっくりしているものはカブトムシの幼虫の可能性が高いです。早く動く幼虫はカナブン等のコガネムシ系です。なお、今、皆さんは心の中で思っていると思いますが、何をもってして動きが早いのか・遅いのかは言うまでもなく個人の感覚に依るところが大きいです。つまり、「慣れ」です。

 オス・メスの雌雄判別はコツを掴めば可能です。カブトムシは孵化直後の1令幼虫が段々と脱皮し2令幼虫・3令幼虫・前蛹(蛹化直前の幼虫)と育ち蛹となります。この3令幼虫の時点で雌雄判別を行うことができます。幼虫の3節目(※幼虫の輪の様な部分が節でお尻の一番先が1節目です)に注目しましょう。この部分に小さな「v」マークがあるのがオス個体です。そしてこの頃には体重にも差がつきオスは30gメスは25gと幼虫の時点でオスの方がやや重くなります。

カブトムシの習性や生態

子供の頃から日本人の身近にいる人気甲虫…それがカブトムシです。特に男の子には大人気ですよね?少し前から外国産を含む“カブトムシ飼育“が流行り世代を問わずその飼育が行われています。

カブトムシは夜行性であり、自然界では雑木林・クヌギ林など樹液を出す樹木に依存し、昼間はカラス・狸などの天敵を避け木のうろや小高い場所でジッと過ごしています。メスは餌場の木から離れた落ち葉の下・半土中で日中を過ごします。

夜になり樹液に集まる姿は有名ですね。樹液は森に住む昆虫類の貴重な栄養源です。カナブンや蛾・蝶、オオスズメバチなども盛んにその恩恵を求めますが、カブトムシは甲虫特有の硬い外殻・力のある頭角・胸角を駆使し他の昆虫を物ともしません。ライバル「クワガタムシ」でさえ滅多にカブトムシには太刀打ち出来ず、名実共に森の昆虫の王様とも言えるでしょう。

カブトムシの寿命は約一年と短命です。夏場の活動期にオス・メスは交尾をし、メスは幼虫の餌となる落ち葉の多い腐葉土地帯に10〜60個、大きさ1〜3mmほどの小さな卵を産み生命を繋ぎます。

メスは一度交尾をするとその後の交尾は拒絶します。この際オスがメスを角で投げ飛ばし産卵前に弱らせてしまうこともあります。基本的にカブトムシは相手を選ばない『一夫多妻制』であり、他ペアの交尾最中に割入り自分の子孫を残すことさえあります。

残念ながらほとんどのカブトムシの寿命は約一年と短く、成虫の活動期は夏場の2〜3ヶ月に限られます。飼育下でもこの時期に適切な飼育をすると、人工繁殖も比較的容易に行えるという魅力も兼ね備えています。

カブトムシの主な血統と有名産地

カブトムシは元々北海道・沖縄県とその各諸島には生息せず、ペット化が進むにつれ国内移入種として次々と全国各地に持ち込まれてしまいました

キチンとした『遺伝子マッピング』

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データ

データ

名称ヤマトカブトムシ(カブトムシ)
学名Trypoxylus dichotomus
難易度(成虫)★☆☆☆☆
難易度(産卵~幼虫)★★☆☆☆
力の強さ★★★☆☆
温度(推奨温度)室内無加温飼育が可能(20℃付近が成虫の適温)
大きさ(飼育ギネス)    (野外ギネス) オス(野外) メス(野外)(2017年:91.7mm) (2012年:87.3mm) 30~54mm 30~52mm
成虫寿命(幼虫期間)1~1年3ヶ月(約8ヶ月)
値段300~600円(オスの方がやや高額)
成虫の活動時期7月~10月
分布日本(本州・四国・九州)
生息環境雑木林・クヌギ林
採集方法網採集・蹴木採集・樹液採集・灯火採集

カブトムシの成虫の飼育方法

カブトムシの成虫の飼育について

成虫の飼育は基本的にオス・メスを分けて行います。カブトムシの雌雄を混在させるとオスが何度もメスに交尾を迫る上に、メスは一回の交尾しか望まないので諍いが起こり、最悪メス個体が☆になる可能性があるからです。

更に羽化直後の個体はまず餌を優先するので、メスを同居させると餌を巡る“ライバル”と認識し執拗に攻撃を仕掛ける事もあります。

しっかりとしたプランを立て、それに沿った繁殖時以外は個別飼育をお勧めします。

成虫飼育のために用意するもの

私が子供の頃は家の光に吸い寄せられたカブトムシをよく「網蓋のプラケース」「腐葉土」「スイカの残り」「適当な枯れ木」等で飼育したものですが、振り返るとこれは全くカブトムシ飼育には適していません。案の定腹甲にダニが大量発生したり、残餌にたかるハエなどが絶えず苦労をしました。

30年も昔の話で、現在は驚くほど安価で手入れのしやすいカブトムシ飼育用品が幅広く流通しています。順を追ってご紹介しましょう。

飼育ケース

(写真左)クリアスライダー    (写真右)コバエシャッター

飼育ケースは「昆虫用飼育ケース」と名がつく市販品であれば全て利用できます。時折DIYなどを行い自作ケージを作る方もいますが、これは熟練度を上げてから挑戦しましょう。

ただ一般のプラケースに準ずる価格帯の『クリアースライダー』『コバエシャッターケース』の2点が飼育者間で最も多用されています。

こちらの2点がたくさんの飼育者たちに好まれる利点を説明します。

・ダニ・コバエ等の侵入・繁殖を防ぐ(コバエは成虫に影響はありませんが室内飼い時の衛生悪化に繋がります。ダニ等は成虫の腹板に寄生し病気などを持ち込む上、腹部上方にある気門に入り込むと呼吸を妨げるケースもあります。)

・ケース内の環境の変化が緩やか

(細かいスリットや通気性の良い不織布を蓋に用いており、湿度や温度の急激な変化が起こりにくくなります。)

・各種サイズの豊富さ

(SS〜特大までの単独飼育・繁殖など用途に沿った各サイズが揃っており、一度揃えれば目的ごとに流用できる使い勝手の良さが高くなります。)

・仕切りがついている

セパレーターと溝が標準装備されていて、相性の悪い成虫や未成熟のオス・メスを完全に遮断し同ケース内で飼育することが可能です。

カブトムシやクワガタムシ専用に作られたプラケースで、しかも他のプラケースと比較し値段も大して変わらないことから、私はこの『コバエシャッターケース』『クリアースライダーケース』をほぼ全ての個体に使用しています。

規格も全く同じであり積み重ねることを前提に、安定して置ける仕様を持つケースというメリットもあります。

何より統一感があり、透明度も高いので個々の個体の観察がかなり簡単になりました。弱ったカブトムシや餌食いの悪いカブトムシも発見しやすいので、是非おすすめします。

飼育ケースについて詳しくは→飼育ケースといったらこれ!管理の手間を減らすおすすめの飼育ケース

成虫飼育用の床材

市販されているマットの一例です。

一昔前は園芸用の腐葉土やオガクズを深く敷き詰め流用していました。成虫飼育用の床材はダニやコバエ…その他害虫が発生する心配の少ない、市販の昆虫用マット等がお勧めです。

実はカブトムシの成虫は実際それほど床材に頻繁に潜らず、深く敷き詰める必要は一切ありません。腐葉土のような「育成用発酵マット」などは産卵や幼虫飼育に限定的に使用します。主に広葉樹林の葉を用いた「(バイオ)育成マット」など自然由来のものもあります。各種様々なマットが市販されており目移りしますが、基本的には適度な湿度・ダニや害虫の発生源にならなければ問題ありません。尚、園芸用品は化学肥料などカブトムシに害を与えるものが混入されている事もあるので、避けた方が無難でしょう。

それぞれのマット・床材は適宜交換する必要性があります。カブトムシの排泄物で汚れたり、保湿力がなくなりスプレーしても吸水しなくなったら全交換しましょう。おおよその目安は2週間に一回ほどです。

卵・幼虫用の育成マットの場合は、保湿性ももちろんですが、マット内の発酵した枯葉群がそのまま餌となっています。そのため糞(※コロコロした糞を排泄します)が増えたり、幼虫の成長具合を見て神経質に変えてあげましょう。餌がなくなれば蛹室を作るまでに至らず、呆気なく死んでしまいます。

成虫用の床材について詳しくは→ダニやコバエの発生を防ぐおすすめの成虫用床材

昆虫ゼリー

昆虫用ゼリーの一例です。

カブトムシを始めとする甲虫類の基本食とも言えるのが昆虫用ゼリーです。形は人間用のゼリーパックと同じであり、冷蔵庫等で補完しやすいという大きなメリットがあります。昆虫用ゼリーの中でも高カロリー・高タンパク質のものを与えると、成長促進はもちろん、次世代の幼虫の頑健さにも繋がります。成虫としての活動期間がわずか2〜3ヶ月であるカブトムシは、その間に栄養豊富な樹液を優先的に摂取します。稀に越冬する成虫や、特に産卵前のメスはタンパク質が配合されたゼリーを与えることで、産卵数アップが期待できます。

昆虫ゼリー以外も与えられますが、よく聞くスイカなどは避けてください。水分量が多い割に栄養に乏しいので、餌として与えると弱ってしまうことがあります。

成虫のエサについて詳しくは→最適な成虫用エサはこれ!必要な栄養を補給できるおすすめのエサ

転倒防止材

カブトムシの成虫は一度ひっくり返ると元に戻ることができません。転倒したまま放置するともがき苦しみ体力を消耗し、死んでしまうことさえあります。木の枝や樹皮などをケース内に入れておくと、そこに爪を引っ掛けて最悪のケースを避けることができます。自家採取したもので構いませんが、ダニなどの侵入が気になる方は天日干しをするか沸騰したお湯で滅菌しましょう。手っ取り早いのは「電子レンジ」です。電子レンジ内で生きていける生き物は存在しないので、理解が得られれば最適な滅菌方法となります。

その他あると便利なもの

成虫の飼育温度

国産カブトムシ(ヤマトカブトムシ)は、四季のある日本で生活をしています。環境の変化に強い種類ですので、基本的に常温で飼育することができます。ただし氷点下や30℃を超える酷暑が続くと流石に耐えることはできません。

屋内飼育の場合に注意する季節は「夏」と「冬」です。留守時の密閉環境や南向きの部屋で飼育し、気温が常に30℃を超える場合は黄色信号です。エアコンをかけ20℃半ばの気温を保ってあげましょう。

冬はしっかりと休眠してもらうために、外気温に近く温度変化の少ない暗所に置いておきましょう。屋外で飼育する場合は、日光が直接当たらない日陰で飼育します。太陽光が直接飼育ケースに当たると、逃げ場のないケース内ではあっという間に★になってしまいます。冬は氷点下を下回らない環境に置いてあげる配慮が必要です。

冬場の管理 

基本的に国産カブトムシの成虫の冬場の管理は不要です。カブトムシはその大多数が交尾・産卵を終えると、冬を迎える事なく死んでしまいます。生き物を飼う以上、寿命は避けて通れません。レアケースですが冬眠・越冬をする成虫も存在します。

成虫飼育のポイント

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カブトムシの繁殖方法

繁殖・ペアリングについて

重要なのはしっかりとオスとメスを成熟させることです。繁殖を狙うには羽化したての6月ごろが要となります。この時期に「昆虫ゼリー」を始めとした「ゼリータンク」「昆虫の蜜」など各メーカー市販の高栄養価の餌を与えましょう。餌は夕方に毎日与えます。こうして7〜8月の産卵期までに十分に成熟させましょう。その後は以下の2通りの方法で交尾をさせメスの産卵に備えてください。

交尾方法は…

・同居させ自然に交尾させる。

・目の前で交尾させる“ハンドペアリング”を行う。

以上2つの方法があります。国産カブトムシは外国産カブトムシと比べるとオスの気性は荒くなく、自然に交尾させる方法がベストです。メスが十分成熟していなかったり、一度交尾を経験していると、オスのやる気が空回りメスを執拗に追い回したりして、衰弱させてしてしまいます。そのため成熟度が不明な場合は“ハンドペアリング”を行う方が安全です。オスは腹部末端に赤みがかる「生殖器」を持つので、交尾が行われたかどうか必ず確認してください。自然交尾は産卵用ケースで行うのがベストです。交尾確認後はオスを別ケースへ移動させ、メスの産卵を待つだけです。

ハンドペアリングはメスがしっかり身体を固定できる安定した足場を用意します。オスを手に乗せそのままメスの後背部から上に乗せてあげましょう。そのまま交尾が始まったら無理に引き離さないで、自然に離れるまで待ちます。安定した繁殖に持ち込むにはオス・メスを充分成熟させることが一番大切です。

プロは黒糖などを煮詰めた自作の餌を与えますが、まずは各メーカーの市販品に頼らせてもらいましょう。

産卵セット作成に必要なもの

・産卵用ケース

・産卵マット(幼虫育成用マット)

カブトムシの産卵は大きめのケースに充分マットを入れることがコツです。ケースはL・LLサイズや、それに近い広さのものを使用してください。マットは各社市販品の「産卵用マット」「幼虫育成用マット」を使用しましょう。雑木林の土・腐葉土も使えますが、害虫や化学肥料などの混入に気をつけてください。マットが用意できたらケース内に充分に敷き詰め「マットプレス」や「拳」「掌」でしっかり押し固めます。ケースの底から約10cmの底部は特に力を入れ強く押し固めましょう。水分量はマットを軽く握りバラけない程度が目安となります。単純な霧吹きでも構いませんが、万全を記す場合は水道水の塩素を除去し使用するか「昆虫ウォーター」などの市販品を使うと良いでしょう。あまりにビショビショにすると餌となる発酵した葉が腐敗し黄土色のドロドロになるので注意が必要です。

メスはマットが浅過ぎると産卵をしないことがあります。産卵ケースの約6〜7割を目安に深くマットを押し固めてください。用意した産卵ケースに交尾後のメスを入れ、マット内に潜り込めば数十個ほどの卵を産みつけているはずです。ただメスの産卵確認は甲虫なので体型からの判断は難しくなります。卵は繊細で潰れやすく、メスが作った卵室で守られています。掘り起こし確認したくなる気持ちは分かりますが、一令幼虫が孵化するまではジッと待ちましょう。幼虫は冬以外は活発に動き回り摂食するので、ケース壁面などでその様子が観察できます。

産卵セットの管理

・卵が地表に出てきた場合

・産卵床(マット)の動植物混入について

何らかの要因で卵が地表に出てきてしまうことがあります。湿度や明るさの関係で確実に死卵になるので、指でマットに穴を開け埋め戻します。またプリンケースに隔離し個別に管理しても良いでしょう。メスは産卵の際に卵管で一卵づつ「卵室」を作るので、表出した卵の孵化率はどうしても下がってしまいます。このような事故を避けるために予防としてマットを強く押し固めます。

市販の産卵マットにはダニや線虫、菌糸が生えることがあります。幼虫には無害なので、なるべくマットの寿命(2週間ほど)まで耐えるのが賢明です。卵や幼虫・蛹時代は無闇に掘り起こすのは避けましょう。野外採取の産卵床には様々な生き物が混入します。その中でも「コメツキムシ」「ツチバチ」の幼虫や「蟻」はカブトムシの幼虫を襲ってしまいます。毎日の観察の中で幼虫が酷く動き回っていたり(襲われ逃げ回っています)地表を歩き回っていたら要注意です。すぐに産卵床を全交換しましょう。

→自分で取ってきた産卵材について

国産カブトムシの幼虫の飼育方法

カブトムシの幼虫の飼育について

カブトムシの幼虫は冬場には餌をあまり取らず約3ヶ月ほど半冬眠状態(動きが鈍くなるだけで完全冬眠ではありません)になります。その他の季節は非常によく動き回り貪欲に餌を求めます。その顎も強靭で発泡スチロールなどは簡単に食い破ってしまいます。そのため複数飼育・個別飼育共に頑丈なケースと、餌であるマット・腐葉土等を多く敷き詰める広い容積が必要です。マットの容積が大きければ温度が安定し、幼虫は好適温度を自ら探し出します。冬場などはマットによる保温・室内の温度に囲まれた高温部のケース底にジッとする姿がよく見られます。成虫の大きさや頑丈さは幼虫時代に確定します。幼虫時代に栄養価の高い餌を充分に与え、頑丈で大きな成虫に育てあげましょう。

幼虫飼育のために用意するもの

・クリアボトル(個別飼育の場合)

・プラケース(衣装ケース)

カブトムシの幼虫は一般的に大容量のケースで飼育されます。個別飼育も可能ですが羽化した成虫が小型化する傾向が多く見られます。広く普及している方法はプラケース飼育です。3〜5匹の幼虫なら問題なく飼育でき、メンテナンスも手間要らずです。10匹単位の飼育には『衣装ケース』が最も使い勝手が良く、頻繁に用いられています。とにかく活動期はよく餌を食べ排泄するので、この時期の飼育はより力を入れてください。個別飼育はクワガタムシでよく行われますが、カブトムシにはあまり適していません。運動量やマット替えの頻度が関係していると言われますが、幼虫が大きく育たない傾向があり、かなり貧弱な個体になってしまいます。個別飼育は基本的に市販の「カブトムシ・クワガタ用ボトル」と言った筒状のケースで飼育します。ボトルケースは一番大きなサイズを選択してください。

幼虫飼育のポイント

カブトムシは冬場を幼虫の形で迎えますが、この際パネルヒーターや暖房等は不要です。幼虫は体内に幼虫原基という将来成虫になる器官を備えており、体内ホルモンや餌・気温などの環境変化により繊細なバランスが保たれています。そのため冬を経験しないとうまく蛹化しません。幼虫の糞や餌用マットの状態を観察しながらこまめに交換し、後は自然に任せましょう。順調に飼育すれば2回の脱皮を経て、10cmほどの3令幼虫にまで育ちます。ある日突然幼虫の姿が見えなくなりますが、これ以降は掘り起こしやマット交換を行うのは禁物です。

3令幼虫は4〜5月ごろになると1箇所に留まり周囲のマットを押し固め『蛹室』を作ります。この蛹室はカブトムシにとって最も大事なものです。蛹化・羽化・羽化後の体づくりの全て蛹室で行うので決して壊してはいけません。

幼虫の動きが止まり全身が褐色化する「前蛹」となります。これ以降、羽化するまでは適切な湿度・温度を維持するだけです。やがて幼虫の体表が裂けるように蛹化します。後は成虫の羽化を待つのみです。この時点で油断せず、蛹室維持のための霧吹きは欠かさないでください。ケージも直射日光が当たらない暗所に移し、余程のことがない限り移動は控えます。

蛹の色が段々と濃い茶色になれば問題なく生きています。6月ごろには蛹室内で前翅が白い新成虫(オスは頭角の脱皮殻が残ります)が羽化します。この際も新成虫を慌てて掘り出すのはNGです。蛹室上部にぶら下がり体づくりを終えたら自ら地表に顔を出すので、見守り続けてあげましょう。

基本的な考え方として

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幼虫から成虫までの飼育記

成長記録

産みつけられた卵と1齢幼虫。孵化したてなので幼虫はかなり透明度があるが右下の卵は茶色に変化していないので死卵の可能性がある。

2回の脱皮を経て3令幼虫(終齢幼虫)になる。体長は約10cmほどにまで成長している。

前蛹化し体表に茶褐色が色濃く発現している。蛹室も万全に作っており後は蛹化を待つのみの状態です。

完全に終齢幼虫が蛹化した状態。国産カブトムシ(ヤマトカブトムシ)は他のカブトムシと異なり“縦型”の蛹室を作る。

羽化直後のカブトムシ。蛹室下部には蛹の脱皮殻が見えている。このまま蛹室にぶらさがり白い上翅をしっかりと硬化させます。

無事蛹室内で硬質化し地表に出てくる新成虫です。頭角にはまだ蛹殻がついていますが、しばらくすると乾燥し抜け落ちます。

地表にカブトムシが姿を見せたら、しばらくは触れないようにします。完全に体表が硬質化するまで待ち、初期餌をふんだんに与えましょう。

まとめ

国産種であるカブトムシ(ヤマトカブトムシ)は日本の四季に順応しており、特別な温度管理は不要で、入門種として最適です。地域によっては自家採取も可能なので、累代飼育にもぜひチャレンジしてみてください!

ギネス級個体を育てるためには

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