市販されている昆虫マットは成虫の管理から幼虫の餌まで様々な種類が販売されています。通常の飼育・繁殖のみなら、わざわざ労力をかけてオリジナルマットを作成する必要はありません。しかし昆虫好きも一定のレベルを越えると自分でマットを作りたくなるものです。

まずはベースとなるフレークを考えます。未発酵の生オガやホダをまとまった量を用意します。量が多ければ多いほど発酵は成功しやすくなります。購入したままの生オガやホダだと大小さまざまな木片が含まれていますので、僕の場合は篩にかけて、微粒子、中粒子、粗粒子に分けます。画像は一番細かい微粒子のホダです。

次に、発酵を促すための添加剤について考えます。添加剤としてよく用いられているものは、小麦粉、ふすま、トレハロース、大豆たんぱく、卵黄たんぱく、キトサン、全粒粉、きなこ、イースト、グルタミン、麦芽など様々です。あくまでも発酵を促すものなので必須ではありません。また、入れすぎると幼虫にとっては当然毒となり、死亡率があがります。それ以前に、マットが肝心の発酵ではなく腐敗し、失敗しやすくなります。

フレークと添加剤をよく混ぜます。ここで混ぜ方にムラがあると、発酵にも影響が出るので、満遍なく混ぜるようにします。

均一に混ぜた後の写真です。小麦粉がだまになることがあるので、しっかりと潰していきます。

いよいよ加水します。この過程が最も重要で、水は多すぎず少なすぎずがの量がカギです。微粒子の場合は、手で軽く握って塊ができるくらいがいい塩梅です。水が滴ってきてしまうのは加水のし過ぎです。乾燥したフレークを追加して水分量を調節してください。

水分量が多すぎると失敗してフレークは腐敗します。少なすぎると発酵が起こりません。その場合は少しずつ水を加えていきます。

翌日以降にフレークが発熱してアルコールのような甘い匂いがしていれば発酵は成功です。定期的にフレークを攪拌して(理想は1日に1回)発酵に必要な酸素を供給します。

気温にもよりますが、大体3-4週間で発熱も匂いも落ち着いて完成となります。マットとして使用する場合はガス抜きをします。しばらく使わない場合はできれば乾燥させて保存をします。

自分で作ったマットで羽化までさせることができた時の喜びはとても大きいです。また、ベースとなるフレークや添加剤の配合率を変えれば、大きな成虫を誕生させられるかもしれません。夏休みの自由研究にしては壮大かもしれませんが、よい研究になるかもしれません。