常北ファーム 代表:飯村貴洋(Twitter

これまでのあれこれ

~小学生(12歳):カブトムシ・クワガタ採集が好き

 朝起きるのが苦手で、ほぼ毎朝登校班の集合時間に遅刻していた小学生の私ですが、夏休みだけは毎朝5時前に自然に目が覚めて、近所の雑木林へ自転車を走らせるくらい、虫取りが好きでした。

 夏の朝の少しひんやりとした空気の中、朝5時に流れる町内放送の「恋はみずいろ」を聴きながら、今日はなにが採れるかと、胸を高鳴らせながらクヌギを蹴ったり、街灯下の植木を覗いたりしたのを今でも鮮明に思い出します。

 近所の雑木林で採れるのはカブトムシ、コクワガタ、ノコギリクワガタが主で、ミヤマクワガタはとても貴重な種類でした。

 ある夏、いつものクヌギを蹴ったら、「ボトッ」という音と共に、とても大きなミヤマクワガタのオスが落ちてきました。とても立派な冠を持っていて、それを見つけた瞬間の興奮は言葉にできないものがありました。

 初めて自分で見つけた大きなミヤマクワガタを大事に育て、四六時中眺めていたのを覚えています。

中学生~大学院(24歳):ほぼ無縁の生活

 小学校を卒業してから、大学院までの12年間の間は、昆虫飼育からは離れていました。中学校では落ちこぼれた生活、高校では少し社会的になり、大学では英語専攻し、大学院では2年間留学しました。地元に帰ってきたときなどに、ときどき、夜のコンビニや街灯の下でクワガタを見つけ、懐かしい思い出に浸るくらいでした。

就職後~(25歳):再び好きになる

 就職後、偶然、友人から灯火採集に行かないかという誘いを受け、初めて、福島県の檜枝岐村へ行きました。当時は、灯火採集の宿泊プランなるものがあり、多くの方が、採集を楽しんでいました。

またその後、首都圏のクワガタ・カブトムシの即売会へ行く機会もありました。たくさん並ぶ見たこともない種類を実際に目の当たりにして、小学生の頃のように再び飼育したいという思いが芽生えてきました。

就職後~(26歳):道の駅への出品

 最初の頃は国産種のみで、主にオオクワガタを飼育をしていました。理由としては、仕事をしつつ、趣味の延長線上としての飼育ということで、温度管理をするほどの労力を割く自信が無かったからです。オオクワガタのような国産種であれば、ヒーターやワインセラーを使う必要がなく、手軽に飼育できると考えました。しかし、思うような飼育ができず、羽化してくるのは小さな個体ばかりでした。

 はじめはオークションサイト等を通して販売しようと考えました。しかし、真夏の暑さや、真冬の寒さで死着するリスクを考えたら、なるべく対面でお渡しするようにしたいと考えるようになりました。

 転機となったのは、地元の道の駅への出品です。自分で育てた小さなオオクワガタでしたが、有難いことに、お求めになられる方がおり、お盆休み期間は特に必要としてくださる方が多くいらっしゃることが分かりました。

 その後、より多くの方へお渡ししたいと考えましたが、道の駅への出品には制約もあり、ゼリー交換を行うために、自宅から離れた道の駅へ定期的に通い続けるのも難しいと感じ、自前のお店を持ちたいという気持ちが芽生えました。

就職後~(27歳):クラウドファンディングの失敗と倉庫での販売

 就職3年目で十分な貯金が無かった私は、クラウドファンディングでの資金調達を試みましたが、目標金額に届かず、失敗しました。

 どうしても店舗を持つことを諦めたくなかった私は、偶然、知り合いが使っていない倉庫を所有しているということを聞き、有難いことに貸していただけることになりました。自宅がある城里町からは少し離れている、那珂市にある倉庫でした。敷地内には大きな駐車スペースがありませんでしたので、ホームページ上では、近くの無料駐車場をご利用いただくようにお知らせしました。

 それでも、ホームページをご覧になられて、足を運んでいただける方々がいらっしゃいました。真夏の厳しい暑さの中、遠くからわざわざいらっしゃってくださる方や、気さくに話しかけてくださる方から励ましを得るのと同時に、置いてある商品や生体の数が少なく、ご期待に応えられていないという申し訳なさを感じていました。

(後に、こちらの倉庫は持ち主の方へ返却することになりますが、この時期にはとても多くの方にお世話になりました。)

就職後~(28歳):クラウドファンディングの再募集と新店舗

 倉庫での営業を続ける中で、より多くの商品があり、来ていただける方が満足するような店舗を持ちたいという思いがさらに強くなりました。

 前回のクラウドファンディングでは目標金額に届かずに資金調達できませんでしたが、今度はクラウドファンディング&自費で店舗を立てることを計画しました。

 結果として、クラウドファンディングと自分の貯金を超える金額が必要となり、その分については、少し借金をしましたが、自分としてはとても満足でした。

就職後~(29~30歳):新店舗の運営

 現在に至る。

生き物を育てるという経験

カブトムシ・クワガタなどの生き物は、成虫から卵、幼虫、蛹、そしてまた成虫へと続くサイクルを観察することができます。生き物の生態や特徴を考えて育てるという経験からは、たくさん学ぶことができるかもしれません。

常北ファームについて

常北ファームでは、カブトムシ・クワガタなどを飼育してみたいと思う、より多くの人が、その生態や特徴を理解して適切に飼育できることを目的に、オンラインサイト上での飼育情報の公開と、カブトムシ・クワガタや飼育用品の販売を行っています。

環境の保全について

今では、小学生の頃に見つけた大きなミヤマクワガタが生息していた雑木林の姿はなく、ソーラーパネルに置き換わっています。土地の開発だけでなく、地球温暖化などの影響もあり、カブトムシ・クワガタの生息できる環境は年々減少しつつあります。そこで、上記の目的に加えて、「持続可能な採集場所づくり」を目的としたクラウドファンディングも考えています。将来にわたって沢山の人が昆虫採集・飼育を楽しめるようになればと幸いです。

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